ダイエットを始めるにあたり、便秘や腸内環境の改善に必要とされる食物繊維。
もちろん、便秘や腸内環境を改善することは身体作りにとっては、とても重要なことではあります。
ただ、食物繊維は0kcalと考える方や直感的にそう思って過ごしている方もいるのではないでしょうか。
本日は、ダイエットやボディメイクにおいて食物繊維についての知識を深めるための内容を記述していきます。
これらを学び更にご自身のボディメイクが加速できるよう参考にしていただければと思います。
食物繊維とは?
食物繊維とは、『人間の消化酵素では分解・吸収ができない繊維状の食事成分』でございます。
食事をした際は、一般的に口から食べ物を運ばれて、胃や腸で分解・吸収されていきます。ただ、食物繊維の場合は、消化吸収がされない為に、便が溜まる大腸まで直接運ばれるために、便秘改善などの整腸作用につながります。
食物繊維の効果と摂取量
食物繊維は、大きく「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つに分けることができます。
それぞれ一日に必要とされる量は異なります。厚生労働省により目安とされている目安量では、「不溶性食物繊維が13.32g」、「水溶性食物繊維が6.68g」とされています。
不溶性食物繊維の主な特徴と効果
- 保水性が高い
胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。 - 繊維状、蜂の巣状、へちま状
よく噛んで食べるので、食べすぎを防ぎ、顎(あご)の発育を促すことで、歯並びをよくします。 - 発酵性
大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。概して、水溶性食物繊維より発酵性は低い。
芋類、穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実などの根菜類や穀類に多く含まれております。水分を一緒に摂りながら摂取することで整腸作用の働きを得やすいといえます。
水溶性食物繊維の主な特徴と効果
- 粘性
粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。 - 吸着性
胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。 - 発酵性
大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。
昆布、わかめ、果物、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれています
食物繊維のカロリー量
実は食物繊維にも、糖質や脂質、タンパク質と同様にカロリーがあります。
パーソナルジムに通われている方の中には、食物繊維のカロリー量は「0」という認識をされている方もいるかと思いますが、厚生労働省の「栄養表示基準等の取り扱いについて」という文献では、食物繊維は全てが腸を素通りして便になり体外に出るわけではなく、一部は腸内(主に大腸菌)で分解され、身体にカロリーを供給する役割を果たすとされております。
では、食物繊維のカロリー量はどのように定められているか?
これは食物繊維が大腸内の腸内細菌による分解割合に応じて1gあたりのカロリー量が変わっていきます。実際に分類別にカロリー量をご参考にしてみてください。
分解割合が75%以上のもの=1gあたり2kcal
(小麦胚芽、水溶性大豆食物繊維、難消化デンプンなど)
分解割合が25〜74%以内のもの=1gあたり1kcal
(難消化デキストリン、ビートファイバーなど)
分解割合が25%未満のもの=1gあたり0kcal
(セルロース、ポリデキストロース、寒天、サイリウム種皮など)
参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdf1997/6/2/6_2_81/_pdf
食物繊維が体内で熱量に変わるメカニズム
私たちの食事に含まれる食物繊維などは、胃と小腸を通り抜けて大腸に到達し,腸内細菌による発酵を受けて短鎖脂肪酸,炭酸ガス,水素ガス,メタンガスなどに変換されます。
このうち短鎖脂肪酸だけが体内に吸収され,肝臓や筋肉などでさらに代謝されて熱量を産生するのです。
なお,難消化性炭水化物のうち,腸内細菌によって資化されないものは便として体外に排泄されます。
結論:食物繊維のカロリーは気にしなくても大丈夫!
ここまで食物繊維について述べてきましたが、1日の必要な食物繊維量は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を合計しても20gであり、万が一、摂取する食物繊維が2kcalで吸収されても40kcal程度にしかなりません。そのため、摂取カロリーの計算上では、そこまで大きく左右されるわけではございませんので、ダイエット中のストレスや考えることを減らす為にも、気にする必要はございません。
食物繊維で重要なことは、1日の摂取量と不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスを重要視していきましょう。