トレーニングをされる方は、下半身もしっかりと鍛えることができているでしょうか。
下半身は露出する機会も少なく、男性の方特に上半身となる大胸筋や肩、腕を中心に鍛えている方は多いかと思います。もちろん、腕や胸は相手からの視界に入りやすい他に逆三角形のスタイルになりやすい為、ボディラインが綺麗にまとまりやすいです。
ただ、上半身ばかりを鍛えるよりも下半身も同時に鍛えることで、ボディメイクにを効率的に行うことができるメリットもあります。
今回は、そのメリットをご紹介していきたいと思います。
目次
下半身の筋肉
下半身の筋トレを始めるにあたり、下半身の筋肉の役割を理解することは重要です。
下半身の主な筋肉は、「大腿四頭筋」「臀筋」「ハムストリングス」で構成されております。
・大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前面にある筋肉です。立ち上がる際に膝を伸ばす動作や腿上げなどの膝を引き上げる動作で働きます。
この筋肉群は以下の4つの筋肉で構成されています。
- 外側広筋(がいそくこうきん)
- 内側広筋(ないそくこうきん)
- 中間広筋(ちゅうかんこうきん)
- 大腿直筋(だいたいちょっきん)
外側広筋、内側広筋、中間広筋は大腿骨から脛骨につながり、膝を伸ばす際に働きます。膝関節のみをまたぐ「単関節筋」になります。
一方、大腿直筋は骨盤から脛骨につながり、股関節と膝関節の2つ以上の関節をまたぐ「多関節筋」として膝の伸展と膝の引き上げに働きます。
・臀筋
臀筋はお尻の筋肉を指します。臀筋は骨盤から股関節にかけて付着しており、直立して歩くことや身体のバランスを取るために働きます。
この筋肉群は以下の3つの筋肉で構成されています。
- 大臀筋(だいでんきん)
- 中臀筋(ちゅうでんきん)
- 小臀筋(しょうでんきん)
大臀筋は臀筋の中でも最も大きく、股関節を後ろに引く動作や骨盤と背骨の自然なS字カーブを維持する働きがあります。弱化すると歩行時や立ち上がる際の衝撃吸収が不十分になりバランスが不安定になりますが、鍛えることで下肢全体で体重をしっかり支えられ、転びにくくなります。
中臀筋は股関節を外側に開く動作や歩行時のバランス維持、サイドステップに使われます。
小臀筋は中臀筋の補助としてバランス維持やサイドステップに重要です。
・ハムストリングス
ハムストリングスは太ももの裏側に位置し、膝の屈曲や足を後ろに蹴る動作で働きます。
この筋肉群は以下の3つの筋肉で構成されています。
- 大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
- 半腱様筋(はんけんようきん)
- 半膜様筋(はんまくようきん)
大腿二頭筋は長頭と短頭に分かれており、長頭は股関節と膝関節をまたぐ多関節筋、短頭は膝関節のみをまたぐ単関節筋です。
半腱様筋と半膜様筋は大腿二頭筋の内側に位置し、両方の関節をまたぐ多関節筋です。
下半身の筋肉を鍛えるメリット
・筋力の向上
下半身のトレーニングにより、足や臀部の筋肉が強化され、筋力が向上します。日常生活では坂や階段を登るのが楽になったり、重いものを持ち上げるのが簡単になったりするため、その効果を実感しやすいです。
また、スポーツでは以下のようなパフォーマンス向上が期待できます。
- スプリント速度の向上
- ジャンプ力の向上
- サッカーや格闘技でのキック力の向上
- 野球やテニスでの打撃力の向上
- ウェイトリフティングでのパワー向上
下半身の筋力は、多くのスポーツにおいて重要な役割を果たします。スポーツをしている方は積極的に鍛えましょう。
・基礎代謝の向上
大腿四頭筋や大臀筋、ハムストリングスは全身の筋肉の中でも大きな割合を占めます。
これらの筋肉を鍛えることで、基礎代謝量が向上します。基礎代謝とは、呼吸や内臓の働きなど生命維持に必要な最低限のエネルギー消費量のことです。基礎代謝が高まることは、消費カロリー量が増え、太りにくく痩せやすい体になります。
・QOL(生活の質)の向上
QOL(Quality Of Life、生活の質)は、立つ、歩く、姿勢を維持するなどの日常活動に不可欠な下半身の筋肉に大きく依存します。しかし、下半身の筋肉は加齢とともに衰えやすく、20歳から80歳にかけて平均40%も減少することが知られています(※出典:公益財団法人長寿科学振興財団「フレイル予防・対策:基礎研究から臨床、そして地域へ」。筋トレを行うことで、筋肉量を維持し、QOLの向上を図ることが可能です。
・骨密度の向上
加齢に伴う骨密度の減少は骨粗しょう症を引き起こし、骨折のリスクを高めます。下半身の筋トレは骨に適度な刺激を与えることで、骨密度を向上させます。そのため、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。特に早いうちから筋トレを始めることが重要です。
・血流の改善
下半身の筋肉は、血液を上半身に送り出すポンプのような役割を果たしています。筋肉が衰えると血液循環が悪化し、むくみの原因になります。下半身の筋トレにより血流が改善されると、むくみが解消され、見た目がすっきりし、ダイエット効果も期待できます。
下半身を鍛える筋トレ
下半身を鍛えるエクササイズは、筋力強化や代謝アップ、体脂肪の減少に非常に効果的です。
今回は、効果的な下半身トレーニングとして特におすすめのエクササイズを3つご紹介します。
・スクワット
スクワットは、太ももやお尻の筋肉を効果的に鍛えることができる基本的なエクササイズです。体幹も同時に鍛えるため、全身の筋力アップに繋がります。スクワットの正しいフォームを意識して行うことで、膝や腰に負担をかけずに効果を最大限に引き出すことができます。
実施方法
- 足を肩幅程度に開き、つま先は少し外側に向けます。
- 両手を前に伸ばすか、胸の前でクロスします。
- 背筋を伸ばし、膝がつま先より前に出ないように注意しながら腰を下ろします。
- 太ももが床と平行になるまで下げ、息を吐きながら元の位置に戻ります。
- これを10~15回、3セット行います。
・ヒップアブダクション
アブダクションは、特に外腿や臀部をターゲットにしたエクササイズです。お尻の引き締めやヒップアップ効果が期待でき、下半身全体のバランスを整えるのに役立ちます。横向きに寝て片足を上下に動かす動作が一般的ですが、立って行う方法もあります。
実施方法(横向きバージョン)
- 横向きに寝て、下側の腕を枕にして頭を支えます。
- 上側の脚をまっすぐ伸ばし、下側の脚は軽く曲げます。
- 上側の脚をゆっくりと上に持ち上げ、ゆっくりと戻します。
- これを15~20回、左右各3セット行います。
実施方法(立って行うバージョン)
- 直立して、片手で壁や椅子を支えます。
- 片足を横に持ち上げ、ゆっくりと戻します。
- これを15~20回、左右各3セット行います。
・スプリットスクワット
スプリットスクワットは、片足を前に出して行うスクワットで、片足ずつの筋力を均等に鍛えるのに最適です。バランス感覚も鍛えられるため、体全体の安定性が向上します。正しいフォームで行うことで、太もも前部やお尻、ハムストリングスに効果的な刺激を与えます。
実施方法
- 直立して、片足を大きく前に出します。
- 両膝を曲げて腰を落とし、後ろの膝が床につく直前で止めます。
- 前の膝がつま先より前に出過ぎないように注意しながら、元の位置に戻ります。
- これを左右各10~15回、3セット行います。
まとめ
下半身の筋トレには筋力の向上や生活の質(QOL)の改善といった多くのメリットがあります。自宅で行う自重トレーニングでも下半身を鍛えることは可能ですが、下半身の筋肉は強力なため、すぐに負荷が不足してしまうことがよくあります。
また、運動経験が少ない方が筋トレを行う際には、怪我を防ぐために正しいフォームで行うことが非常に重要です。自分でトレーニングを行う自信がない方は、専門知識を持つトレーナーからアドバイスを受けることができるパーソナルジムでのトレーニングが効果的です。
効率的に筋トレを行いたい方、適切な負荷の設定が分からない方、パーソナルジムでのトレーニングに興味がある方は、ぜひHIGH-GRADE GYM浅草橋・蔵前パーソナルジムへお問い合わせください。